現代人は昔に比べて体温が1度下がっています。昔は子供の体温は高かったのですが、今では子供の低体温化も進んでいます。低体温が原因でアトピー性皮膚炎やぜんそくを引き起こしていることも。体温が1度下がると血流が悪くなります。すると、各臓器の働きが悪くなり、女性は子宮や卵巣に影響が出て、生理痛、生理不順、子宮筋腫、不妊などの原因になります。腎臓の働きが落ちるとむくみの原因に。新陳代謝も12%下がります。同じ物を食べても体温が低い人は燃えにくいので、太りやすくダイエットも成功しにくく、糖尿病になりやすいです。
さらに、免疫力は約30%下がります。風邪もひきやすく治りにくい状態になってしまうんです。しかも恐ろしいことに、がん細胞は35度台が最も増殖しやすいのです。がん細胞は39.5度が1週間続くと死滅すると言われています。やはり、体温が高い人は病気になりにくく免疫力が高くなります。
低体温は精神的な病にも関係します。漢方ではうつ病も冷えの原因です。うつ病の人は朝起きて午前中の体温が低い時は体調が優れません。午後、体温と気温が上がってくると活動しやすくなります。自律神経失調症や更年期障害などにみられる、のぼせ、ほてり、動悸、めまい、不眠、不安という状態も漢方では冷えに起因していると考えます。下半身が冷えると、血液の居場所がなく体の下にあるべき血がのぼってしまいます。血が上にあると、のぼせ、ほてり、動悸がし、イライラしやすくなります。ですので、下半身を温めてください。
皮膚や関節などが硬くなる膠原病や、子宮筋腫や胆石、尿路結石も漢方では冷えが原因と言われています。血流が悪いから筋腫などの固まりができると考えるのです。さらに、がんの原因のひとつも冷えです。特に臓器が筒状になっている、食道、肺、胃、大腸などの臓器は冷えやすいのでがんになりやすいです。がんができにくいのは心臓、小腸、膵臓。よく動いて血流が良い温かい臓器はがんになりにくいです。低体温になった原因は、運動不足が圧倒的です。自動車、電動自転車、自動掃除機など便利になった分、昔に比べて運動量が減っています。そして、体温を作るのに筋肉が不可欠ですが運動しないので、筋肉もできにくいですよね。
体温を上昇させるには、外から温めるより内側から発熱するのが1番です。それには、やはり筋肉を動かすこと。特に下半身にはおしりや太ももなど大きい筋肉があるので、効率よく体温が上ります。しっかり動かすと2週間で0.5度の上昇が期待できるのであきらめずにがんばってください。
漢方で言われる陰性食品を積極的に取ると体を温めます。最近は陰性食品が増えているので、冷えで悩む人が増えています。陽性と陰性の見分け方は食べ物の色と産地。陰性は青や白など寒そうな色で、南の地域で獲れるものです。陽性は赤や黒、橙など濃い色のもので、北の地域で獲れるもの。同じカロリーでも体への作用は全く異なります。例えば、牛乳は体を冷やしますが、チーズは温まるんです。ちなみにヨーグルトは陰性と陽性の間ですので、牛乳より、ヨーグルトでカルシウムを摂取して下さい。また、組み合わせでも変わりますので、ヨーグルトに陰性のバナナを入れてしまうと体を冷やしてしまいます。また、飲み物にも注意が必要です。水やコーヒー、緑茶、麦茶は温めても体を冷やします。コーヒーを飲むときはシナモンを入れると血行が良くなり、陰性のデメリットがなくなりオススメです。
チーズ、紅茶、昆布茶、番茶、そば、黒パン、玄米、赤ワイン、焼酎、梅酒、黒砂糖、はちみつ、和菓子、チョコ、ココア、根菜、海藻、リンゴ、さくらんぼ、塩、味噌、醤油
牛乳、水、コーヒー、緑茶、麦茶、うどん、白パン、白米、白ワイン、ビール、白砂糖、洋菓子、カレー、レタス、トマト、キュウリ、バナナ、オレンジ、みかん、マヨネーズ、酢